今日学んだこと

学んだことや気づいたことなど思いついたときに思いに任せて

はつ恋

新潮文庫から出ていたツルゲーネフの「はつ恋」を読みました

始めは情熱的な恋愛話、若きウェルテルの悩みみたいな感じになるのかな?と思っていましたが、だんだん雲行きが怪しくなって最後は好きになった人もその人が好きになった人も亡くなってしまうという、とてもさみしい終わりになりましたね

この本は前に買ってあって、いつか読もうと思っていたのですが、なかなか手が出せずにいました

夜寝れなかったので、少し手を伸ばして呼んで見ようと思ったのですが、結局最後まで読み切ってしまいました

あらすじなどは調べればでるような有名な作品なので今更自分の日記に残しておこうとは思いませんが、最後の結末は正直何を伝えたかったのか、未熟な私にはわかりませんでした

それは、主人公が好きだった女性は主人公の父親と不倫しており、それが発覚した後も交際を続けていたというものでした。そして、父親はその女性に暴力をふるっており、それでもその女性は父親を愛しているという衝撃の事実を知って、主人公は茫然とします。そして、主人公の父親も若くして亡くなり、その女性も産後(父親とは別の人と結婚した)に亡くなってしまいます。

そうして、主人公は二人の恋に思いをはせて祈り、物語は終結します

しかし、この父親をなぜか主人公はよく知らない体で話が進むんですよね

というのも、父親は主人公が懐こうとすると、そっと避けるという描写がいくつか出てきます

父親は冷酷だということも明かされてはいるのですが、それにしても家族にしては冷たいなあという印象を受けました

もしかしたら、父親であることに意味はないのかもしれません

ツルゲーネフ自身が父親と葛藤があるということも解説にあったので、単純にそこから着想しただけで、実際には赤の他人でもよかったのかもしれません

とにかく、「彼女」に媚びない人間であることが大事だったのかもしれません

そして最後に父親も「はつ恋」のその人もなぜ死という結末にツルゲーネフはしたのか

それがもやもやしています

死ぬ必要があったのか。まあ、あったからそうしたのでしょうけどね

父親とも彼女とも、その二人の心のうちを詳しく描写する場面は出てきません

交際がバレる前にいくつか彼女からそれを仄めかす発言や行動はありましたが、それは恋というものの情熱を表すにすぎません

ある意味で結論を読者にゆだねているのでしょうか

特に父親に関しては、何を考えているのか私にはわかりませんでした

まあ強いて言えば、彼女が好きだということぐらいですかね

 

個人的にはこの本を読んで、武者小路実篤の「友情」を思い出しましたね

あの話も主人公は好きな女の子に媚びていたような気がします

しかし、結局女の子が好きになるのはあっけらかんとしている大宮くんなんですよね

高校生の時に読んで、なんか自分のことかなあと思いながら悲しくなった記憶があります…

ロシア文学っぽい少し物悲しいお話ではありましたが、全体を通して次の展開を非常に期待させる面白いお話でした